タ『本気で自分を変えたければ、人生の師を見つけなさい』
生き方の「核」について問いかける本です。
充実した人生を送るために西田さんが教えてくれるのは、決して目新しいことではありません。
残念なことに、当たり前でとても大切なことを、「あ、分った分った」と軽んじてしまう性癖を私たちは持っています。
その大切なことを再発見させるために、西田さんは容赦のない、きつい言葉遣いをしています。
たとえば、たいへんな苦境を乗りこえたある人のエピソード。転機となったのが家族への感謝だったことを示したあと、西田さんはこう書いています。
ここで「なんだ、家族の話か」と思うひとがいたら、あなたは間違いなく
(中略)思い上がった人間の1人です。(中略)ちょっとばかりの成功で
いい気になり、「天狗になり、地位や名誉という鎧で自分をおおい、自分
勝手で、家族のことなど眼中になく、家のことも、子どものこともすべて
妻に任せきり。それで、仕事を口実に飲み歩いている」ような、図に乗っ
た人間に決まっています。
西田さんがこんなに厳しく読者を叱責するのは理由があります。
それは、西田さん自身が、かつて図に乗って思い上がった人間だったからです。時がたち、自分の思い通りにならない現実が押し寄せてた時、西田さんは、亡き師匠の厳愛のことばを思いだしました。
「おまえのような奴は、生きる価値がない」
「図に乗るな」
「おまえには感謝の気持ちが足りない。
このままではロクな人間にならないぞ」
師の警告がボディブローのように効いてきて、はじめて西田さんは師のありがたさ、師の偉大さに気づきました。
読者に同じテツをふませたくない――。
本書には、西田さんの強い思いがあふれています。
当たり前のことを、当たり前に腑に落ちさせるためにはどうしたら良いのか。
西田さんの工夫を、ぜひご一読ください。
現代書林 エ1,575円